僕が美容師になってからはや十数年経ちますが、昔も今も変わらず聞こえてくる、
『トリートメントしたのにすぐ効果が無くなった…』
という、お悩み。
そもそも世の中的に「トリートメント」という施術について少し誤解されているのではないか。
この記事ではそんな誤解を少しでも解消できればと思います!
Contents
一度痛んだ髪は、何をしても元には戻らない
まず、誤解しがちな部分として
美容室でトリートメントをすればするほど髪が良くなっていく
そうイメージを持たれている方は少なくないんじゃないでしょうか?
基本的には髪は死滅細胞。
肌と違って自己治癒能力や再生能力などはありません。
残念ながら、一度痛んでしまった髪はどんなに高級なトリートメントをしても再生する事はないんです。
効果が無いのであればトリートメントは不必要?
ここまで言っておきながら、僕はトリートメントの施術をする事が非常に多いです。
その選択の裏には髪の構造と痛んでいく過程が大きく関わってきます。
髪の構造は、のり巻きをイメージしてもらえると分かりやすく、
①海苔の部分(キューティクル)
②ご飯の部分(コルテックス)
③具の部分(メデュラ)
の3つの層によって構成されています。
そこへ薬剤を使った施術は勿論、
紫外線や乾燥、アイロンやドライヤーや摩擦、さらには雑なカットなど…
原因は様々ですが、日々生活の中で髪に負担がかかっていきます。
そして、それが積み重なって訪れる第一段階が
キューティクルの剥離
そう。最初はのり巻きの海苔の部分が剥がれてしまうんです。
この海苔は水を弾いてくれる性質という大切な役割があるんですが、それが剥がれてしまった事によりご飯の部分が箇所箇所で出てきてしまうんですね。
そして、その状態のまま放置し続けるとダメージは加速していくんです。
コルテックスの流出
海苔によって守られていた部分が無くなると、本来入って来れなかった水が髪の中に入ってきます。
ご飯の部分は海苔とは違い、水が大好き。
水と馴染みやすい性質をしているので水と一緒に流れ出て行ってしまいます。
すると、その部分は空洞化。穴ぼこだらけののり巻きに。
さらに…
と、実際はこの先もさらに加速していくんです。ここまでの説明でも
『なんか思ったより酷い事になるんだな…』
と思って頂けたのではないでしょうか?
その加速を食い止める為に、トリートメントが必要になってくるんです。
海苔が剥がれたけどご飯はそこまで外に出てない人には新しい海苔に代わる物で流れないように蓋を。
ご飯も流れに流れてスカスカになってしまった人には、まずご飯の代わりになる物を入れてあげてから新しい海苔に代わる物で包んであげる。
海苔すら剥がれてないよ!という方には日常のダメージから身を守ってくれるような物を。
それを適材適所でプロが選択してあげる。
色々な考え方がありますが、僕はそんなトリートメントとの付き合い方が良いのかな。と思っております。
ですが、それ以上に大切な事を最後に。
髪を綺麗に伸ばすには、痛む前にケアしてあげる事
至極当然のようなんですが、とても大切にしていきたい所です。
日々のご自身での労りがあれば美容室でのトリートメントが必要の無くなる方も大勢いらっしゃいます。
一気にあれもこれも意識しても億劫になってしまうので、少しずつ担当の美容師さんと一緒にステップアップしていければ一番ですね。
・痛んだ髪は元に戻らない
・でも、トリートメントが必要な時もあるよ
・痛む前に対策出来れば一番良い!
以上になります。では良い美髪ライフを♪