はじめに。
今回の記事はいつもより少しケミカル色が強くなってしまうかもしれません。
ですが、髪を綺麗にしていく為には
【なぜ私の髪は痛んでいるのか】 【どのように痛んでいくのか】
など、負の部分を理解する事がとても大切なんです。
なるべく分かりやすく説明出来るよう努力しますので、最後までお付き合い下さい。
Contents
髪は死滅細胞である
根本的な所として、髪や爪などは生まれた瞬間から角化した死んだ細胞なんです。
皮膚はターンオーバーによって傷を修復する事が出来るんですが、髪の場合は自己修復が出来ずに痛んでしまったらそのまま。もうそこの部分は永遠に治らないとされています。
それは、どんなに高いトリートメントでも物凄い成分が入ってるヘアケア剤でも一緒です。
トリートメントが担っている部分はお顔のメイクに似ている部分があり、
そんな日は、コンシーラーやファンデーションで肌荒れを頑張って隠すようなメイクをして綺麗な肌に見せるような事をしますよね?
髪の毛の場合も同様で、痛んだ髪にメイクをして『綺麗な髪のように見せる』事が出来る。
これがトリートメントなんです。
ちなみに、色々なヘアケアやの謳い文句で
『このトリートメントは内部から補修する!』とか
『繰り返し行えばどんどん髪が綺麗になっていくパーマ!』などもあったりするんですが、
基本的にそういった文言は信用しない方が賢明です。
甘い言葉にはくれぐれもご注意を。
髪は減点法でダメージしていく

前述したとおり、痛んだ髪は治らない。
つまりは負荷がかかる度に髪の毛の体力が減っていく減点法という考え方をすると分かりやすいです。
より分かりやすく説明するために、ここに毛先まで全くダメージの無い髪の毛があるとします。

そこにカラーリングをする事によっての減点が加わると(体力10点減点)

髪の毛の体力はこのようになります。
1ヶ月後、色が抜けたので再度全体的にカラーリング(体力10点減点)
根元から伸びてきた髪の毛は勿論体力が減っていないので、

このような状態になります。
これを数ヶ月続けたとすると、

と、このように毛先にいくにつれて髪が減点されていくようなイメージです。
薬剤によっても減点度合いは様々ですし、他の日常生活での色々な要因で髪には負荷がかかっていきます。
ダメージレスや中には痛まないと謳っている薬剤施術があったりもしますが、多少の減点を抑える事はできても減点を0にする薬剤は存在しません。薬剤を使えば必ず減点は行われてしまいます。
リタッチによって対処は可能
リタッチと呼ばれる塗り方、すなわち伸びた部分だけを選定して薬剤を塗る技法を使えば、

このように毎月の薬剤施術でも髪に最低限の負荷だけで済ませる事ができます。
このリタッチの経験があまりない方からすると、
『先の色とちゃんと合うのかな?』
などの心配が出てくるかと思いますが、大丈夫です。
縮毛矯正であってもカラーリングであっても技術で綺麗につなげることは出来ます。ご安心ください。
ダメージは加速する

ここまでの説明だと、確かにそう思われても仕方がないですね。
ですが、トリートメントにもとても大切な役割があるんです。
髪の構造は
出典:デミ コスメティクス
このように3つの層から成り立っています。のり巻きをイメージしてもらえると分かり易いですね。
①キューティクル(海苔)
②コルテックス(ご飯)
③メデュラ(具材)
そこへ薬剤を使った施術は勿論、
紫外線や乾燥、アイロンやドライヤーや摩擦、さらには雑なカットなどでも…
原因は様々ですが、ごく普通の日常を送る中でも髪に負担がかかっていきます。
そして、それが積み重なっていってしまうと
キューティクルの剥離
最初はキューティクル(海苔の部分)が剥がれてしまいます。
このキューティクルは水を弾いてくれる性質という大事な役割があるんですが、それを失ってしまった事により親水性のタンパク質(ご飯)の部分が箇所箇所で見えてきてしまうんですね。
そして、そのままの状態で放置し続けるとダメージは加速していくんです。
コルテックスの流出
キューティクルによって守られていた部分が無くなると、本来弾かれて入って来れなかった水が髪の中に浸透してきます。
親水性のタンパク質はキューティクルとは違い水に馴染みやすい為、水と一緒に流出してしまいます。
すると、その部分は空洞化し髪の所々が穴が開いた状態に。
さらに、空洞化した部分に今度は水が溜まっていきます。
親水性のタンパク質が流出した先には、疎水性のタンパク質(奥側にあるご飯)があります。
疎水性の特徴は先ほどとは逆で、水に馴染まない為、疎水性のもの同士が集まろうと凝縮します(疎水結合)
そうすると、今まで均等に振り分けられていた疎水性のタンパク質が1カ所に集まっていきます。さらに空間ができてしまうんですね。
それによってまたダメージが加速…と悪循環が生まれていくんですね。
その悪循環を食い止める為に、トリートメントが必要になってくるんです。
キューティクルが剥がれたけどタンパク質がそこまで流出してない人には擬似キューティクルで流れないように蓋を。
タンパク質も流れに流れてスカスカになってしまった人には、中に不溶化の取れにくい架橋をしてあげたり。
それを適材適所でプロである美容師が選択してあげてこれ以上のダメージを食い止める。
そんなトリートメントとの付き合い方をしていければ良いのかなと思っております。
減点をさせないのが一番ベスト

減点してからの対処法としてのトリートメントの説明でしたが、
やっぱりそれよりも
『そこまで痛ませない』
その選択肢が取れるのであれば、それに越した事はないんです。
外国人風のカラーリングやゆるふわの可愛いパーマでお洒落を楽しみたい気持ちも勿論わかります。そう思ってる時は絶対にやるべきです!
ですが、
こんなパターンで減点させるのはあまりにも勿体ない。
減点が無ければ無いほど、パーマもカラーもチャレンジする時の選択肢が広がります。
いざという時の為に不必要な時は体力を温存する生活を心がけましょう!
・髪は一度痛んでしまうと戻らない
・髪は減点方で成り立っている
・痛みを放っておくとダメージは加速する
・必要のない減点を控えてより良い髪に
以上になります。難しい所も多かったと思いますが最後までありがとうござまいした。
それでは、良い美髪ライフを♪